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一級自動車整備士Q&A
Q1
今度、一級整備士試験が実施されていると聞きましたが、何故、実施するのですか?
A1
一級整備士については、各種の整備用診断機器を用いて応用的な故障探求ができる水準に到達している者を想定した資格と位置付けていますが、その試験の実施については、これまで、二級・三級整備士の整備技術の向上に重点を置いてきたなどの理由から、その実施が見合わせられてきました。
しかしながら、近年においては、
1.
電子装置の採用等、自動車の新技術の普及と将来的には、低公害車の普及による更なる高度整備技術革新の進展が待っている
2.
多様化する自動車ユ−ザ−の保守管理を支援するため、整備工場には、早く、正確で、分かり易い情報の提供が求められ、整備士には、この情報提供の先導的な役割が期待されている
3.
社会的に環境保全の重要性が認知され、整備工場におけるリサイクルの推進等、環境保全に向けた対応を図る必要性が増大している
などの状況下にあります。
これらの社会的に重要なテ−マについて整備士の担う役割が増大してきており、自動車整備事業全体のサ−ビスの高度化を促す必要性から一級整備士の試験制度を活用し、社会的に重要なテ−マに貢献できる人材を育成するねらいから一級整備士試験が行われています。
Q2
一級整備士試験の種類、求める知識・技能とその試験方法を知りたい。
A2
1.
一級整備士の種類
(1) 一級大型自動車整備士
(2) 一級小型自動車整備士
(3) 一級二輪自動車整備士
2.
一級整備士に求める知識・技能
二級整備士の知識・技能のほか、以下の知識・技能
(1)
新技術関係(低公害車、電子技術等の新技術)の故障診断手法
(2)
改造に係る安全・環境上の評価手法
(3)
使用実態・使用環境等の把握による総合的故障診断及び整備計画の作成手法
(4)
整備に係る品質管理手法
(5)
リサイクルを考慮した整備手法
(6)
効率的な整備手法
(7)
整備に係る環境保全・安全管理等の知識
3.
試験の方法
(1)
学科試験(始めに筆記試験を実施し、合格者に口述試験を実施)
<1> 一次試験:筆記試験
<2> 二次試験:口述試験
(2)
実技試験(学科試験合格者に対し、実技試験を実施)
※ 現在、一級大型自動車整備士及び一級二輪自動車整備士の試験は行っておりません。
Q3
一級整備士の受講資格・教育時間・教育年数を知りたい。
A3
1.
養成を受けようとする者の資格
養成課程の
種類
養成施設入講(入校)資格
二種養成施設
一種養成施設
一級大型
自動車整備士
二級ガソリン又は二級ジーゼル自動車整備士に合格後、3年の実務経験(注)を有する者
二級ガソリン又は二級ジーゼル自動車整備士に合格した者
一級小型
自動車整備士
一級二輪
自動車整備士
二級二輪自動車整備士に合格後3年の実務経験(注)を有する者
二級二輪自動車整備士に合格した者
(注)実務経験は養成課程終了日までに満たしていればよい。
2.
養成の教育時間及び教育年数
(1) 二種養成施設(整備振興会技術講習所)
養成課程の
種類
教育時間及び教育年数
一級大型
自動車整備士
●二級ガソリン及び二級ジーゼル自動車整備士の両方に合格している者
●教育時間:135時間以上
学 科:90時間以上
実 習:45時間以上
●教育年数:1年以内
●二級ガソリン又は二級ジーゼル自動車整備士の片方に合格している者
●教育時間:195時間以上
学 科:130時間以上
実 習:65時間以上
●教育年数:1年6か月以内
一級小型
自動車整備士
一級二輪
自動車整備士
●二級二輪自動車整備士に合格している者
●教育時間:135時間以上
学 科:90時間以上
実 習:45時間以上
●教育年数:1年以内
(2) 一種養成施設(整備専門学校等)
養成課程の
種類
教育時間及び教育年数
一級大型
自動車整備士
●二級ガソリン及び二級ジーゼル自動車整備士の両方に合格している者
●教育時間:1800時間以上
学 科:300時間以上
実 習:600時間以上
実務実習:900時間以上
●教育年数:2年以上
●二級ガソリン又は二級ジーゼル自動車整備士の片方に合格している者
●教育時間:2400時間以上
学 科:500時間以上
実 習:1000時間以上
実務実習:900時間以上
●教育年数:3年以上
一級小型
自動車整備士
一級二輪
自動車整備士
●二級二輪自動車整備士に合格している者
●教育時間:1800時間以上
学 科:300時間以上
実 習:600時間以上
実務実習:900時間以上
●教育年数:2年以上
【参考】一級課程二種養成施設入講から修了、一級登録受験・合格、検定試験免除による一級自動車整備士取得までのフローチャート(PDFファイル :85KB)
Q4
一級整備士講習の実施時期を知りたい。
A4
養成講習の実施
(1) 二種養成施設
(整備振興会技術講習所)
・平成15年4月より実施
・講習の日程等は各自動車整備振興会にお問い合わせ下さい。
(2) 一種養成施設
(整備専門学校等)
・各整備専門学校等にお問い合わせ下さい。
Q5
一級整備士講習の費用と助成制度があれば知りたい。
A5
1.
二種養成施設(整備振興会技術講習所)の一級整備士講習の費用
(1)
二級ガソリン及び二級ジ−ゼル自動車整備士の両方合格者の一級整備士講習費用は、二級整備士講習費用の1.5倍程度(教育時間から算出した場合)が目安となります。
(2)
二級ガソリン又は二級ジ−ゼル自動車整備士の片方合格者の一級整備士講習費用は、二級整備士講習費用の2倍強程度(教育時間から算出した場合)が目安となります。
2.
講習費用助成制度の活用
二種養成施設における助成制度については、各都道府県が主管になっており、予算措置の関係から、全国の整備振興会の内、約半分程度がこの助成制度を活用しています。
ただし、助成制度の給付金は、雇用保険法施行規則の規定により、対象者は雇用保険の加入者に限ります。また、地域により、講習費用は異なりますので、詳細については、各自動車整備振興会にお問い合わせ下さい。
Q6
一級整備士講習で行う内容はどのようなものですか?
A6
一級整備士講習(一級小型の場合)は、下記の教科書内容について実施します。
1.
エンジン電子制御装置
電子制御装置の構造・機能及び高度な故障診断能力を養うための電気・電子回路の知識と各機器の測定技術、電気回路の故障と各種センサ、アクチュエータの信号及び電圧形態と異常信号検出手法に係わる専門知識について
1) 電気装置
2) 高度整備技術
3) 高度故障診断技術
2.
シャシ電子制御装置
各種センサ、アクチュエータの信号及び電圧形態と異常信号検出手法に係わる専門知識及び振動・騒音現象の再現、発生メカニズムの解明、発生原因箇所の特定手法に係わる専門知識について
1) 電子制御式オートマティック・トランスミッション(AT)
2) 電動式パワー・ステアリング
3) アンチロック・ブレーキ・システム
4) オート・エア・コンディショナ
5) 振動・騒音
3.
総合診断・環境保全・安全管理
「総合診断」では、情報提供として必要になる問診、診断、整備計画と整備結果の内容説明における知識及び、これを活用した応酬話法について
「環境保全」では、その必要性と意義、資源の有効利用、廃棄物処理の影響と対応等の知識及び、これを活用した整備工場における適正処理について
「安全管理」では、その意義と重要性、災害のあらまし、災害防止とその処置等について
4.
自動車新技術
普及している新技術の構造・機能・点検整備の一般知識について
1)
エンジン
(1) ハイブリッド車
(2) 圧縮天然ガス(CNG)自動車
(3) 筒内噴射式ガソリン・エンジン
(4) コモン・レール式高圧燃料噴射システム
2)
シャシ
(1) 無断変速機(CVT)
(2) 車両安定制御装置
(3) SRSエア・バッグ及びプリテンショナ・シート・ベルト
Q7
一級整備士の役割は決まっていますか、また、一級整備士を取得することでメリットを受けることができますか?
A7
1.
一級整備士の役割(位置付け)
これまで国は、整備技能修得の程度を検定試験によって定め、二級・三級整備士について、整備事業における位置付け、役割を決めていました。しかし、一級整備士は1Q&Aで示したとおり、自動車の新技術の普及、自動車ユ−ザ−の保守管理を支援するため、早く、正確で、分かりやすい情報の提供、環境保全に向けた対応など、一級整備士の内容は、これまでの二級・三級整備士の方々が担ってきた内容とは大きく異なり、国が整備事業の要件として一級の役割を決めることは、困難な状況下にあります。新しい一級整備士には、これまでの位置付けの概念から離れた、新しい器が必要になります。
このため、一級の役割とその位置付けは、整備業界、自らが総力を挙げて構築します。
一級整備士が修得しているスキルは、高度整備技術力に裏付けされたアドバイザ−能力、環境保全、安全管理等、社会の要請しているニーズであります。このスキルを活用することで、社会(ユーザ−)と整備業との積極的な関わりが期待でき、ユ−ザ−との相互の理解を深めることで、新しい形の信頼関係が確立できる機会が生まれます。この機会を有効に活用し、一級整備士の役割を社会に根付かせるには、社会の要請している役割を端的に表現できる呼称が重要となります。このため、整備業界の総意として、「自動車整備技術者認定資格制度」
※
があり、一級整備士には、制度の最高峰の「整備技術コンサルタント」の認定資格の称号を付与し、一級整備士がその能力を存分に発揮しやすい環境を整えて支援します。
2.
一級整備士の受けるメリット
この「自動車整備技術者認定資格制度」
※
を確固たるものにし、一級整備士の方々が高度整備技術力によるアドバイザ−能力で、「整備技術コンサルタント」として、サ−ビス業の原点となるお客様本位のサ−ビスを実践することにより、企業モラルの向上と併せて、自社の収益性を高め、一級整備士に対する高い社会的評価を勝ち取ることが、整備士自らの処遇改善に結び付く道であると確信しております。資格を取得することが目的ではなく、如何に資格のスキルを生かすか、一級整備士・整備工場・整備業界が、共にその持てる力を結集し、一致団結して取り組むことで、将来に明るい希望と自信の持てる整備事業の青写真を描き、活力の復活に向けて邁進することが今、何にも増して必要なときです。
※
「自動車整備技術者認定資格制度」の詳細については、最寄りの自動車整備振興会へお尋ね下さい。